米国エネルギー・セクターETF【VDE】のチャート比較

2020年10月20日

もう4月も終わるというのに相変わらず気温は冬のようです。
冬の間に購入した春服はいつ下ろせるのやら・・・

さて今日はエネルギーセクターETFの【VDE】について記事にしていきます。
このETFの構成銘柄の上位2社で銘柄割合の約割を占めます。
そのため、エネルギーセクターは高配当の特徴を持っているのですが、今回の記事は配当利回りやトータルリターンよりもこの場合どれくらい上位2社の値動きに連動しているか見ていけたらと思います。

VDEとは?

VDEは、米バンガード社が提供しているETFで、正式名称はバンガード・米国エネルギー・セクターETFです。米国株の中でエネルギーセクター(石油や天然ガスなど)の銘柄を組み入れたETFとなっています。

このETFでアメリカエネルギーセクター全体に投資できます。
また、石油メジャーであるエクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)が主要構成銘柄となっており、約4割を担っています。


VDEの特徴

2020/4/20

2月、3月のコロナショックによる株価暴落により直近配当利回りが高くなっています。
平均的に2.0~3.0%といった推移です。

エネルギーセクターは、不況面において他のセクターが下落中に安定した動きを示す事があること、
株価が原油価格に大きく左右されてしまう
という特徴があります。

現状、原油価格の大幅下落(一時は0を超えてマイナスに)の影響を受けこのVDEの株価も下落中です。配当によるインカム収入だけでなく、株価の上昇によるキャピタル収入も見込めるかもしれません。



VDEの構成上位銘柄

出所:バンガード社 2020/4/25

こちらがVDEの構成上位銘柄の割合です。石油・ガスの探査・開発から精製・販売までを一貫して手掛けるスーパーメジャーの上位2社だけで保有割合の約4割を占めているのがわかります。

ということは、割合上位のエクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)の値動きに左右されやすいということになるのでは?と思い次から株価のチャートを見ていきます。


VDE(ETF):XOM:CVX:チャート

出所:グーグルファイナンス 2020/4/25

これはVDEをエクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)とそれぞれ比較したものです。

元々原油価格に左右される面があるのか、エクソンモービル(XOM)・シェブロン(CVX)と同じような値動きになってますね。
2018年から2019年にかけていうならば、他のスーパーメジャーが10%越えの下落率を記録していく中でシェブロンのみ下落率1.4%で踏みとどまっていたためか、VDEはエクソンモービル(XOM)よりは株価は高く維持していますね。

また、こうしてみるとVDEはETFにも関わらず、ボラティリティの高さが気になります。
エネルギーセクターは破綻の危険性が高いこともあり、ETFで分散させる意味は出てきますが・・・。

まとめ

VDEは
原油価格に左右される。
・高配当
・米国全体のエネルギーセクターに投資できる。

ETFとなっております。  

現在VDEは原油価格の大幅下落により非常に割安になっています。原油価格が上がれば大きなキャピタル収入が見込めますが、エネルギーセクターの今後の見通しは予測がしにくい状況となっています。

今回はトータルリターンについて書いてはいませんが、トータルリターンはS&P500に大きく引き離されていますし、
セクターで見てもエネルギーセクター自体がこの数十年最もパフォーマンスを振るわなかったセクターであります。
大きな理由は、アメリカのシェール企業台頭により原油の供給量が増えたため、原油価格の頭を抑えられてしまったためです。その影響は現在まで続いており、中東、米、露といった各国の動向に一喜一憂しなければならない状況となっております。


しかしながら、VDEに含まれているエクソンモービル(XOM)は配当金重視の投資家に非常に人気の高い銘柄となっております。もし、「エクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)を買いたいけど個別株か・・・」という方には、このVDEで多少なりとも分散をかけて投資するといったといった使い方をしてみても面白いのかなと思います。