投資信託を購入する前に確認したい償還日について

2020年10月20日

どうも、いなかのです!

今回は投資信託の償還日について紹介していきます。

ネット証券の投資信託を買付できるページの隅っこに「償還日について」という項目があるのですが、
償還日の有無について知った上で投資信託の購入に移った方がいいので見ていきましょう。




投資信託における償還日とは?

通常、償還日とは債券を保有している場合、債券の保有者に額面金額を払い戻す満期日(契約が完了する日)のことをいいます。


そして、投資信託における償還日とは「投資信託の運用が終了する日」のことを指します。
投資信託の運用期間が終わり、信託財産(投資信託が保有している資産)の清算を行い、投資家に対して投資口数に応じた償還金を返還することをいいます。



↓この投資信託の償還日の有無についてSBI証券だと、投資信託の購入ができるページの左隅に確認が出来ます。


出所:SBI証券

この赤丸で囲んだ部分ですね。


また、緑の枠で囲った目論見書からも確認することができます。
目論見書の最後のページ「信託期間」と「繰上償還」の項目にその商品の償還条件が書かれています。





償還の種類

1.定時償還
投資信託ごとに決められている信託期間の終了に伴う償還。いわゆる定期預金のように予め満期日かきめられているようなものです。

2.繰上償還
投資信託の運用目的を達成した、または、投資信託の規模(純資産額)が小さくなったなど、信託期間中の途中で運用が終了すること。


また、あらかじめ償還日が決まっていても、運用会社の判断で信託期間を延長することがあります。






償還日が訪れた際の処理

償還価格:償還日における投資信託の基準価額のこと。


償還金:償還価額をもとに、償還日時点の投資信託保有者の保有口数に応じて支払う金額のこと。


実際に償還日が訪れた投資信託の償還処理のされ方ですが、償還日当日の取引が終了した後に信託財産の純資産総額を出し、それを投資信託全体の口数(受益権の総口数)で割り、「償還価額」(償還日の基準価額)が決定します。

決定した償還価額をもとに、償還日時点の投資信託保有者の保有口数に応じて、償還金が計算されます。

ふくろう教授の投資信託ゼミナール



実際に投資家へ支払われる計算方法はこうなりますね。

償還金額=償還価額×保有口数(投資口数÷口数単位)-税金


先ほど画像を挙げさせていただいた「SBIポストコロナファンド」で言えば、ファンドの基準価格を1万口辺りで表示しているため、償還価額が10,500円で保有口数が10,000円の場合は、償還金が10,500円になります。




純資産額が少ないと償還リスク高まる

投資信託の純資産額とは、投資家から集めた資産の運用額のことを言います
あらかじめ償還することが決まっていない投資信託でも純資産総額が少ないと繰上償還するリスクが高まります。


ここが投資を決めるポイントであり、また投資をした後にも気を付けたいポイントでもあります。


一般的に、受益権口数(投資者が保有する口数のこと)が30億口を割り込むと、繰上償還するかどうかが協議されるみたいです。
↓ここでモーニングスター作成の純資産額別でみる繰上償還比率を見てみましょう。

出所:モーニングスター

図を見ると、純資産額が10億円未満になると繰上償還比率が高くなっており、一つの目安としていいでしょう。


そもそも純資産額が少ないと償還リスクも高くなりますが、ファンドマネージャーが満足のいくポートフォリオを組むことが出来なくなる恐れがあります。


※運用開始が浅い投資信託は純資産が少ない(初速が足りず)ことがあり、その場合純資産が順調に増えていっているのか、平行しているのか、それとも減っているのかを見てください。




テーマ型投資信託は償還日が設けられていることが多い

SBIポストコロナファンドで確認

SBIポストコロナファンドは主に新型コロナウイルスと闘う企業に投資をする目的で作られ2020/07/08から運用を開始したテーマ型の投資信託です。


特にDX:デジタルトランスフォーメーション(アフターコロナの次世代生活スタイルいわゆる生活基盤のデジタル化のこと)を推進する企業に投資をしています。



この投資信託は償還日を2023/07/05に設定しています。勿論パフォーマンス次第では延長することもあると思います。


出所:SBI証券


今のところ純資産額は27億46百万で、設定来から5億9千万増えています。
単純に月で割ると毎月2億ずつ増えているようです。



まとめ

1.償還には「定時償還」と「繰上償還」がある

2.償還金額=償還価額×保有口数(投資口数÷口数単位)-税金

3.購入前、後どちらであっても純資産額と推移に注意


インデックス投資を中心に投資信託を選んでいらっしゃる方は、
償還を体験される方は少ないかと思いますが、ないとは言い切れないので今回書いてみました。


長期投資を目的とされた例えば、「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・バンガード・S&P500)」なんかは償還日が無期限であり今のところは決まっていません。


この投資信託は設定日が2019/09/26であるにも関わらず、2020/10/08時点純資産額765億円であり、設定来から749億円も増えています。


テーマ型とは違いこのような手堅い投資信託には資金が集まりやすいです。信託報酬も0.1%を切っていますしね。



ということで、償還日について改めて勉強することが出来ました。いつもはさらっと確認して終わっていましたが、数か月おきに純資産の推移ぐらいはチェックしていきたいと思います。



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