「ETF・投資信託」を1つだけではなく複数保有する利点を考える

2020年10月20日

朝と夜が冷え込むようになりしっかり着込んで寝ないと風邪をひいてしまう気温になりましたね。
こんにちは、いなかのです!




今回は、「これ一本あれば大丈夫」といったような素晴らしいETF・投資信託がある中で、あえて複数保有するメリットはあるのか考えていきたいと思います。


例えば、「先進国や新興国を含む全世界の株式に投資出来るファンドがある中で、あえて先進国だけ、新興国のみ、といったファンドに投資をする意味があるのか」、「先進国だけ、新興国のみのファンド二つ保有して全世界に投資する」等この二つ分け方に意味があるのかを考えていきたいです。





「これ一本で十分!」の代表格

ETF

①VT→全世界(先進国から新興国までの大型~小型株まで含む)

②VTI→米国株式市場(大型~小型株まで)

③VOO→米国の主要業種を代表する500銘柄


株式投資を始めたい方に誰もがまず進めたいThe・三大ETFを挙げるならばこの三つかと思います。


同じくしてこの三つに連動、もしくはこの三つのETFが採用しているインデックス(指数)に連動するパフォーマンスを目指す円建ての投資信託も多くあります。



投資信託

①楽天・全世界株式インデックス・ファンド→主としてVTに投資

②楽天・全米株式インデックス・ファンド→主としてVTIに投資

③SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド→主としてVOOに投資

後はSlim米国株式等もそうですね。
投資信託についてあえて有名どころのみ上げさせていただきました。
ここら辺がネット証券で投資をしているサラリーマンにとって一番身近な投資信託になるのかなと。







三つの観点から考える

トレンド転換によるトータルリターンの違い

緑線=VWO 青線=VT 黄色線=VTI 黒線=VOO

こちらは5年間のトータルリターンです。
VWOは新興国株式市場の大型~中型株に投資をするETFですが、韓国市場は含まれていません。
ETFの並びは右に行けば行くほど米国市場濃度が高くなるようにしました。




マーケット市場にはトレンドというものがあります。
大雑把に分けて、「グロース株:バリュー株」「先進国市場:新興国市場」に分けることができ、




ここ10年近くは先進国(というより米国市場が)が大きく成長した時代のため、より米国市場に特化したETFのトータルリターンがよくなっていることが図より分かります。
さらに言えば、グロース株トレンドでもあります。




しかし、直近1か月間の市場動向を見ると、「金融緩和政策への期待が薄れ、グロース株として引っ張ってきたハイテク株が売りに出されており、バリュー株への転換期を迎えている可能性を示唆している」という見方もあります。



先進国と新興国、グロース株とバリュー株を一つのファンドで網羅せず分けて保有するメリットに、その都度都度の最大リターンを選んで享受できるメリットがありそうです。






複数保有することで可能になる税金対策

画像はそれぞれのETFに100万分投資をした場合の保有額、含み益、税金(譲渡にかかる税金)を分かりやすく日本円で表記しました。




もしも、急な出費によって投資資金の中から200万もはいらないけど100万~130万ほど欲しくなった場合
どのETFを売却すると一番得か・・・という話になります。




もし100ちょっとだけ欲しいのであれば、VWOの120万を売却するのが一番得ですよね。
譲渡益にかかる税金は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)ですんでこの表の場合、税金40,630円で済むVWOが一番適していることになります。





投資先の市場分析がしやすくなる

複数銘柄で構成されているETF・投資信託といえども、市場の影響はモロに受けます。


例えば、全世界株式投資のVTのみの保有の場合、VTがどこの国のどのような株式で値上がり、値下がりしたかが曖昧になります。



もし、全世界を、先進国+新興国の二つのファンドで分ければ、「先進国は今調子いいぞ、先進国についてちょっと調べてみるか」「新興国の調子が悪いなぁ・・・保有先のこの国について調べてみようかな」
といった分析がしやすくなります。



その「銘柄・ファンド」を長く保有していると、その「銘柄・ファンド」の特徴が体に染みつくので市場動向によってどのような反応をするか判断できるようになるかと思います。


だからといって、VTは良くないという話ではなくマクロからミクロになるにつれより細かく分析することが可能になる、というだけの話です。





まとめ

①トレンドに合わせた最大リターンを選べる

②税金対策ができる

③複数所持することで市場動向を即座に把握できる


これ一つである程度網羅できる!という銘柄がある中で、複数保有する利点について述べてみました。
少なくとも過去10年間の実績では米国市場全体でなおかつグロース株がトレンドを握っていました。



現在非常に不穏な状態であり、今までのようにここに投資すれば間違いない!という先はないように感じます。
そのため、VTのような全世界へ投資できる銘柄の需要が伸びてくるように思います。



一銘柄で投資をするか、複数に分けるかは個人の好みに分かれますが、私は複数(多くなりすぎない)に分けるのがよりよい気はします。



投資による資産形成に正解はなく、低コストでパフォーマンスが良いものも沢山あるので自分に合った銘柄を見つけ出して投資して頂くのが一番だと思います。


投資家の数だけ投資哲学があります。
是非、自分の投資哲学に沿って居心地の良い距離感を見つけてください。




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