【GDX】分配金を受け取れる金鉱株ETFは、GLDのような役目を果たせるのか。
前回、コモディティ投資の代表格である「金」について記事にしました。
今回はその金の採掘をしている企業達に投資ができるETF「GDX」について紹介していきます。
株価の動き、トータルリターン、分配金推移等を主に世界最大ゴールドETFのGLDと用いて比較していけたらと思います。
GDXの基本データ
運用会社:VanEck社
正式名称:ヴァンエックベクトル金鉱株ETF
ベンチマーク:ニューヨーク証券取引所アーカ(NYSE Arca) 金鉱株インデックス
決算月:12月
直近配当額:0.1905ドル
直近配当利回り:0.49%
組入銘柄数:44
経費率:0.52%
純資産:1.9兆円
設定日:2006/05/16
GDXは、世界の全サイズの素材株に投資。北米に、特にカナダ国内の企業に最大の比重を置きます。
というのも、カナダは世界有数の金生産国であり、米州では米国、ペルーに次ぐ生産国です。
カナダに本拠を置き世界各国で金生産及び開発を行う企業も多く、大小様々な企業によって国内金生産が活発に行われている国でもあります。
このETFは金鉱に関する世界中の上場企業の中型~大型株を含み、時価総額加重平均を用いて保有銘柄の比重を取っています。
投資先が特殊だからか、ETFの中でも経費率は高めの設定になっております。
運用会社のヴァンエックとは?
ヴァンエック・グローバルは1955年の設立。国際分散投資のパイオニアとして、株式やコモディティなどの実物資産や新興国資産に投資する金融商品の提供を行ってきた資産運用会社です。
ヴァンエックの代表的ETFマーケット・ベクトルシリーズは非常に豊富なラインナップを揃え、多様化する投資家のニーズに応えています。
GDX上位構成銘柄
こちらがGDXの構成銘柄上位10社になります。
ニューモントとバリック・ゴールドの比率が高い比率を占めています。
ニューモントは世界最大の金鉱山を保有しており、S&P500の構成銘柄として選ばれています。
カナダに拠点を置くバリック・ゴールドは巨大採掘会社です。13か国に16個の事業所を所有しています。
GDXの国別比率
GDXの国別比率は北米で7割を占めています。
つまり北米に金鉱山が集中して存在していると見れます。
GDXのトータルリターン
直近1年のトータルリターン
こちらは直近1年間のトータルリターンになります。
コロナショック時に企業株は暴落しましたが、その後金融政策の実施によりS&P500連動のSPY、全世界の株式へ投資するVTIの株価も回復しています。
また、財政破綻の懸念が拭えたわけではないため信用リスクをケアする意味で安全資産である金価格が高騰しました。
それに付随して金鉱株ETFであるGDXがより大きなリターンを生み出しています。
直近5年と7年のトータルリターン
直近5年間ではGDXのトータルリターンが一番良い結果となっています。
しかし値動きが激しくボラティリティの高さがはっきりと分かります。
逆にGLDのボラティリティは小さく、安定した値動きをしているのが分かります。
直近7年間のトータルリターンを見るとSPYとVTIのトータルリターンが高くなりました。
直近10年のトータルリターンはマイナス
直近10年のトータルリターンを見るとGLDはプラスですが、GDXはマイナスであることに注意してください。
ボラティリティが非常に高いため、上昇トレンドの波にうまく乗ることができれば恩恵を受けることが出来るかもしれません。
GDXとGLDの株価推移
2008年のリーマンショック時に金融システムに対する不安から、金への需要が高まり金価格は高騰しました。
それにつられるように金鉱株もリーマンショック以前まで株価を回復させたものの、2013年に金価格が下落し以降金鉱株は低迷している状態です。
ただ、株価推移を見るとタイムラグはありますが、金と金鉱株に正の相関が出ているのは分かりました。
金の採掘に莫大な資金を必要とするものの、金の生産量は小さく、さらに金が増えれば金価格が下がる可能性がある・・・こう見ると金鉱株というのは難しいですね。
これが金鉱株の株価が伸び悩んでいる理由の一つかもしれません。
GDXの分配金実績
GDXの株価は現在38.97ドルです。
GLDと違いGDXは金鉱株へ投資をしているので年1回のみ分配金を出します。
4年間の実績をみると、分配金は僅かですし安定してはいないみたいです。
まとめ
1.金と金鉱株は正の相関がある
2.金鉱株はボラティリティが高い
3.金鉱株は長期保有すれば言い訳ではない(過去の実績より)
あくまで過去の実績からしか言えませんが、金鉱株は金と相関関係が高いとは言えるものの、金とは別のモノとして扱った方がよさそうですね。
分配金が出るのはありがたいことですが、利回りは高くありませんし年1回と微々たる分配金です。
分配金狙いならば高配当ETFでいいですし、キャピタルゲイン狙いであればボラティリティが小さくてリターンの大きいETFが他に多くあります。
また、金のような安全資産とも呼べるものではなさそうです。
とはいえ、あくまで過去の実績です。今後の展開では金鉱株トレンドに転換する可能性がないとは言えません。(低い可能性にかけるのはもはやそれはギャンブルなのでは?)
ただこのようなニッチなところを攻めてくれる商品というのは投資家としては嬉しいですよね。
投資しようがなかろうが、その分野の情報を何かしら知る手助けになってくれるからです。
さて、トランプ大統領がコロナに感染してしまい、またまた先行き不透明感が出てきましたね。
しばらくはキャッシュを貯めていく動きになってくるのかと思います。
その間、情報収集に勤しみます!
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