【ACWI】iシェアーズ MSCI ACWI ETFは全世界に投資ができるETF

こんにちは、いなかのです。


今回は、ブラックロックが運用する全世界の株式に投資ができるETF【ACWI】について紹介していきます。


iシェアーズ MSCI ACWI ETFとは?

基本データ

運用会社:ブラックロック
名称:iシェアーズ MSCI ACWI ETF
ベンチマーク:MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
直近配当額:0.685870ドル
決算月:6月、12月
過去12ヶ月分配金利回り:1.43%
組入銘柄数:2242
経費率:0.33%(実質0.32%)
純資産:1.5兆円
設定日:2008/3/26


iシェアーズ MSCI ACWI ETF(通称:ACWI)は、MSCIオール・カントリー・ ワールド・インデックスに連動する投資成果を目指し、先進国市場および新興国市場の1200を超える大型~中型株式で構成されています。



代表サンプリング手法を用いて保有銘柄のウエートを算定し、資産の90%以 上を対象指数の構成銘柄に投資する。


そのため、投資家からの集めた資産の100%を株式に投資しているわけではないということですね。



MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス について

この指数は、米MSCI社が提供する外国株式インデックスになります。


最も有名な指数のため、他ETF、投資信託のベンチマークとして利用されています。


対象は先進国24か国、新興国(エマージング)21か国、フロンティア国25か国の約70か国となっており、
これ一つで全世界の小型株を除く株式の各国市場の時価総額上位約85%に投資することができます。



※投資の世界において「フロンティア」とは、新興国市場よりも小さい株式市場が未熟な国々の事を指します。





国際比率

出所:ブラックロック

こちらはACWIの国際比率になります。
一番高い比率は勿論米国になりますね。


先進国のみのインデックスだと日本市場が含まれていないことがあるのですが、ACWIは全世界に投資をするインデックスをベンチマークにしているので日本市場へも投資をすることができます。



その他比率8.93%の部分に新興国とフロンティアの国々が多く含まれています。




上位構成銘柄

2021/01/13時点


ACWIの上位構成10銘柄になります。
GAFAMは勿論、S&P500に採用されたテスラも比率が高いです。


時価総額の高さで構成されているのでTSMCやアリババといった新興国先にもしっかり投資が可能となっています。


また、直接インド市場の株式を購入することが困難なため「iシェアーズMSCIインドETF」を通してインド市場の成長も取組んでいます。




セクター比率

出所:ブラックロック


各セクターバランスよく組み込まれています。
2021年1月時点で言えば全世界型のETFはこのようなバランスになるかと思います。





ESG観点

出所:ブラックロック

こちらは最近ブラックロックHPに追加された項目になります。
投資市場においてESGでの目線がより重要視されてきている証拠ですね。


格付は「AAA~CCC」とされ、AAA>AA>A>BBBといった順番で良いとされています。



ACWIは、先進国だけでなく、新興国とフロンティア市場も含んでいるためESG格付が「BBB」になっているのかと思ったのですが、どうもそうではないみたいです。




新興国株式市場のみに投資するEEMは格付「BBB」ですが、
S&P500連動のIVVも格付「BBB」でした。




ちなみに、ESGに特化した企業を選定して投資をする「SUSA」ですら格付が「A」のため、ESG格付「BBB」といのはESGの観点でいうと問題はなさそうですね。


(恐らく、格付AAAやAAとするとESGとして「全く」問題無いと断定的になってしまうため、中々付けないようにしているのではないでしょうか)




トータルリターン

2015/01~2021/01
緑線=ACWI 青線=VT 黄色線=VTI 黒線=EEM
採用ETF

全世界株式→「ACWI」「VT」
米国株式→「VTI」
新興国→「EEM」

4つのETFの5年間のトータルリターンを比較してみました。



全世界株式へ投資するACWIとVTはほとんどトータルリターンが変わりませんが、経費率の低さや投資先銘柄の違いでVTの方が若干リターンが大きいですね。




また、ここ20年は先進国とりわけ米国市場が牽引してきたので米国市場株式が組み込まれていないEEMはこの中ですと一番低いトータルリターンとなっています。




ベンチマークが同じ投資信託

ドル建てのリアルタイム取引に抵抗がある方には、円建ての投資信託がいいでしょう。


ACWIのベンチマークであるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの連動を目指す投資信託として「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」があります。



信託報酬が0.1144%であり、ACWIよりも低いコストで全世界に投資をすることができます。


販売金額、販売件数、NISA販売金額どれを取ってもランキング1桁台という人気の投資信託になっています。
資産ポートフォリオのコア部分として採用されやすい投資信託というわけですね。




まとめ

・先進国、新興国、フロンティアへこれ一つで投資可能

・トータルリターンでは同じ全世界をテーマとした「VT」に若干劣る

・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を通せば、より低いコストで円建て で運用できる。


ブラックロックが運用するACWIは先進国、新興国、フロンティアの株式市場に投資ができ非常に魅力的なETFです。
経費率が0.32%と高いため、分配金を受け取りたいという意図が無ければ、同じベンチマークを採用している円建ての投資信託が良いかと思います。



また、別の運用会社になりますが、同じ全世界をテーマとしたETFであればバンガード社のVTは経費率が0.08%なのでおススメです。


ただし、採用しているベンチマークは違うので中身を見てから判断してください。



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