SPYDのコロナショック後の変更点や特徴を再確認します。

2020年10月20日

こんにちは、いなかのです。

今回は高配当で人気な米国ETF:SPYDについて書いていきます

SPYDといえば、コロナショック以前は配当を目的とした個人投資家に非常に人気なETFでした。
現在も人気なETFの1つには変わりありませんが、以前のような勢いは少し収まりつつあるように見えます。

ですので、現在SPYDはどのように見られているのか紹介できたらと思います。


SPYDとは?

SPYD(正式名称:SPDR®ポートフォリオS&P500高配当株式ETF)とは、世界三大運用会社の1つである
ステートストリート社が運用しているETF
です。

SPYD基本データ
2020/05/14

ベンチマーク:S&P500®高配当指数
運用会社:ステートストリート社
経費率:0.07%
直近配当利回り:6.22%
配当月:4半期毎(3月、6月、9月、12月)
銘柄数:80→70
特性:年二回のリバランス(1月、7月)
設定日:2015/10/21



SPYD組入銘柄数の変更


S&P500®高配当指数は、配当利回りに基づき、S&P500指数の採用銘柄のうち配当支払い上位80銘柄のパフォーマンスを計測することを目標とする指数であり、
SPYDはこの指数に連動したパフォーマンスを目指すETFです。

しかし、直近にてS&P500®高配当指数の組入れ銘柄数が70に変更になったため、SPYDの組入れ銘柄数が80から70へと変更になっている点に注意です。

SPYDから除外された10銘柄

除外された10つの銘柄はこちらです。

除外銘柄

アパッチ:エネルギー
エル・ブランス:一般消費財
カーニバル:一般消費財
ギャップ:一般消費財
コールズ:一般消費財
ノードストローム:一般消費財
フォード・モーターズ:一般消費財
タペストリー:一般消費財
メーシーズ:一般消費財
ラスベガス・サンズ:一般消費財



除外された10つの企業は、大幅減配もしくは無配が決定している企業です。
通常SPYDは1月7月リバランス(資産配分の入れ替え)を行いますが、
先ほども述べた通りS&P500®高配当指数の組入れ数が80から70に変更になったため、
急遽SPYDも連動し上記10社を構成銘柄から除外しました。

SPYD年2回のリバランス

SPYDは1月と7月の年二回組入銘柄の入替や資産の再配分を行います。

株価の上昇や無配や減配により利回りの低くなった銘柄を除外し、
投資割合が等しくなるように調整しています。

出所:ブルームバーグ

このように上位10社でも大体2%前後に収まるように資産配分がされています。

SPYDセクター比率

出所:https://www.ssga.com/jp/ja/individual/etfs/funds/us-spdr-portfolio-sp-500-high-dividend-etf-spyd


現在のセクター比率はこのようになっています。
上位比率の不動産と金融、エネルギーは景気敏感セクターです。

不動産セクターには高配当な銘柄が多いため比率を高くしSPYDの高配当を実現させています。

米国高配当ETFであるVYM、HDVに比べコロナっショックによる下落からの株価回復が
遅い理由はこの不動産にあります。

VYM、HDVには不動産セクターは含まれていません。

また、3月までは一般消費財・サービスは14.7%で組入セクター2位でしたが、今回の一般消費財銘柄除外により
6.36%まで落ちていますね。

SPYDパフォーマンス比較

緑線=SPYD 青線=VOO 2015/10/21~2020/05/15



緑線=SPYD 青線=HDV 黄色=VYM 2015/10/21~2020/05/15

一枚目がSPYDをS&P500指数に連動するETF:VOOと5年のパフォーマンス比較
2枚目が高配当ETFのHDVとVYMのパフォーマンスを比較した画像になります。

設定日から5年と運用期間が短いこと、
まだコロナショック中ということを考えるとはっきりとは言えませんが、
SPYDはインカムゲインである配当収入は大きく見込めても、キャピタルゲインはあまり見込めそうにないことが分かります。



SPYD減配リスクの可能性



こちらはSPYD1株辺りの配当金になります。
直近の2020/03/20では1株辺り0.396187ドルの配当金が出たため、前年度2020/03/15に比べ増配しています。
これは2020/03/20の配当金は2019年の10~12月期を反映しているためです。

そのため今後の2020年6月の配当金は2020年の1~3月期、
9月の配当金は4~6月期
12月の配当金は7~9月期になるためコロナショックの影響が長引けば長引くほど
減配のリスクが伴ってくる可能性があるということになります。


まとめ

当記事まとめ

SPYD
組入れ銘柄数の変更 80→70へ
比較対象のVYM,HDVに比べトータルリターンの弱さ
今後の減配リスク


安定した高配当を得られるということで個人投資家に一目置かれていたETFですが、
コロナショックを期にSPYDの本領が試される局面となっているように思います。


80から70へと組入れ銘柄が変更になったことによるリスク分散力や
この下落局面の中でも前年と相違ない配当金が出るかなど
今後のSPYDの動向に注目していきたいですね。


とはいえ、経費率が低いため長期的にインカムゲイン狙いでコツコツ利益を
積み上げたい方には十分選択肢に入るETFであることには変わりはないです。

ポートフォリオのコアにするのは少々怖い面がありますが、
保有比率を考えて投資をすればまとまった配当金を得やすいので
投資結果がはっきりと目に見える点は日々の投資活動において活力になると思います。