【XLY】米国の一般消費財セレクトセクターに特化して投資できるETF

2020年10月20日

出所:グーグルファイナンス



凄いですね、コロナショック後からS&P500はもう年初に近いレベルまで回復しつつあります。

昨日のFOMCの件でちょっと株価下落傾向になりつつありますが。


あくまで長い投資機関での一局面として捉えて、投資スタンスを変えることなく
続けていきたいですね。


さて、今日は前記事の「【XLK】米国の情報技術セクターにより特化して投資するETFをVGT、QQQで比較」に続きステートストリートの一般消費財セレクト・セクターETFXLY】を紹介します。

XLYとは?

XLYは、正式名称「一般消費財セレクト・セクターSPDRファンド」といい
一般消費財セレクト・セクター指数に連動する成果を目指し主に米国大型株を保有します。



XLYの基本データ

運用会社:ステートストリート
連動指数:一般消費財セレクト・セクター指数
経費率:0.13%
構成銘柄数:63
配当月:4半期毎
分配金利回り:1.35%
純資産:131億ドル
設定日:1998/12/16



一般消費材とは小売業、ホテル、観光、レジャー、自動車産業など景気に左右されやすい産業のことを指しています。

【VCR】バンガード社の一般消費財セレクトセクターETF

VCR基本データ

運用会社:バンガード
正式名称:バンガード・コンシューマー・ディスクレショナリーETF
連動指数:MSCI USインベスタブル・マーケット・コンシューマー・ディスクレショナリー・インデックス
経費率:0.10%
構成銘柄:295
配当月:4半期毎
分配金利回り:0.75%
純資産:29億ドル
設定日:2004/01/30



こちらはXLYより後発の一般消費財セレクトセクターETFですね。

経費率はVCRの方が低いですが、利回りや純資産に大きな差がありますね。

小型株、中型株、大型株まで保有しますので構成銘柄295数と分散力があります


XLYセクター

出所:ステートストリート


米国の一般消費財セクター大型株の配分はこのようになっていると見ていいでしょう。

インターネット販売・通信販売が高いですが、これはアマゾンの影響が強いです。全体的に一般の消費者に対するサービスが多く見受けられます。

XLY構成銘柄上位10社

2020/06/11
出所:ステートストリート



こちらが構成銘柄上位10社になります。
アマゾンマクドナルドナイキスターバックス等日本でも馴染みの深い企業が組み込まれています。
アマゾンの株価比率が全体の2割を超えており、アマゾンに左右されやすいです。


ホーム・デポは住宅リフォーム・建設資材・サービスの小売チェーンです。
ロウズは住宅リフォーム・生活家電のチェーン店を営む企業です。


ブッキング・ホールディングスは旅行関連のオンラインサービス企業を保有する株式会社です。
TJXはアパレル、ホームファッションを中心とした小売チェーンを営む企業です。


ターゲットは米国で売上高5位の小売業者です。ディスカウント百貨店チェーン「ターゲット」などを運営。
ダラー・ゼネラルは米国のディスカウントストアチェーン大手です。

XLYの株価の動き

出所:グーグルファイナンス
青線=XLY 赤線=S&P500


出所:グーグルファイナンス
青線=XLY 赤線=S&P500



一般消費財セクターは景気敏感セクターのため、S&P500よりXLYの方が値動きが大きいですね。

直近を見ると、コロナショックでの下落幅と回復期での上昇幅はXLYの方が大きいことが分かります。



出所:グーグルファイナンス
青線=XLY 赤線=アマゾン


XLYとアマゾンの比較を見てみたかったので一年間の株価チャートを切り取りました。

やっぱり個別株の上昇率、成長の上がり方って凄いですね(アマゾンだからかもしれませんが)


XLYのトータルリターン

バンガードの一般消費財セレクトセクター【VCR】と
S&P500指数連動成果を目指す【SPY】を
用いて比較していきます。


XLY、VCR、SPY5年トータルリターン

2015/06~2020/06
緑線=XLY 青線=VCR 黄色線=SPY

アマゾンによる貢献度が高いこともあり、S&P500より高いリターンを実現しています。

VCRの分散力ですらS&P500を勝っていますね。



10年トータルリターン

2010/06~2020/06
緑線=XLY 青線=VCR 黄色線=SPY


長期でみるとリターンの差が顕著に表れてきます。

10年のGAGR%(年平均成長率)参考に。

緑線=XLY 青線=VCR 黄色線=SPY
2010/06~2020/06


GAGRは、簡単にいうと業績の成長率がどれくらいか?を測る指標で
複数年の成長率の平均を複利で算出している指標です。
企業の財務分析や投資判断を行う際のデータとして使われます。


(N年度の売上 ÷ 初年度の売上) ^ {1 ÷ (N – 1)} – 1

企業の売上でいうならこのような計算式で計算されているので、単純な前年比を全て足して足した数で割って平均を出しているわけではないです。


GARAは、
・どのタイミングから算出したかでGAGR値が変化する
・成長著しい新興企業ではCAGRが高くなる傾向あり
・成熟した大企業ではCAGRが低くなる傾向があり
・短期間で急激に売り上げが伸びたり減ったりしたような場合は、実態との乖離が大きい可能性
 

成長性を測るための指標としてとても有用な指標ではあるが、過去の実績をもとに計算することになるため将来を確約するものではないという点には注意が必要です。

あくまで参考程度に見るようにしましょう。


最後に

XLYは、経費率0.13%で米国大型株の一般消費財セクターに特化して投資が出来るETFになります。


アマゾン株の比率が高いため良くも悪くもアマゾンの株価動向の影響を大きく受けるETFではあります。


新型コロナウイルスによって一時的に消費が冷え込むなど一般消費財セクター景気に敏感です。
また以前のように消費が戻れば大きな上昇局面を迎えることが出来るかもしれません。


一方で自粛期間中でも売り上げを伸ばした企業も上位銘柄に組み込まれています。
アマゾンやマクドナルドなどはその例ですね。


過去のパフォーマンス通りに今後も成長する保証はないので
鉄板どころはS&P500連動のSPYVOOをポートフォリオのコア(核)に

今回紹介したようなセクターETFをサテライト(衛星)部分に置くのがいいのかもしれませんね。


私はSPYに投資をしていませんが、VOOには「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・バンガード・S&P500)」を通して間接的に投資をしています。

好きな金額から投資が出来るSBI・バンガード・S&P500はSBI証券でしか購入できないので
SBI証券口座をお持ちの方は一度確認してみて下さい。