長期的目線での金投資の役割をGLDMに任せてみる

2020年10月20日

朝と夜は肌寒くなってきたのに日中はまだまだ暑いもんですから、ジャケット&ネクタイスタイルの営業が暑くてかなわない・・・、こんにちは、いなかのです!



今回は、金投資の長期的パフォーマンスと手軽かつコストを最小限に抑えた金ETFのGLDMを見ていきたいと思います。




金の長期的成長率グラフを確認してみる

出所:ステートストリート社


これらは、ステートストリート社がブルームバーグL.Pのデータを元に作成されたグラフチャートです。


2000年から2020年までの日本株・日本債券、米国株・米国債券の累積での成長率をグラフ化したものです。


これらのグラフを見てわかるように、比較的リスクが小さく、安全資産として投資される金の方が株・債券よりも成長率が高い結果となっています。


金は2000年以来、年率複利で9.08%の成長率を叩き出しております。
S&P500連動のSPYは1993年から年率9.87%のリターンを、全世界へ投資が出来るVTIは2001年の設定来から年率7.60%のリターンとなっています。



有事の際の投資先として抜擢される金ですが、株価と同等いやそれ以上のリターンを生み出しているのは驚きです。



金価格に影響を与える要素

1.経済の好調/不調

2.インフレと低金利への懸念


1.金の価格は、世界経済の好不調によって左右されます。というのも、世界経済が悪化し発行元(国・企業等)があり破産すれば、現金や株式・債券といった金融資産は資産の価値を失います。


対して金は実物資産であり、発行元がないため破産・破綻等の信用リスクがありません。



2.インフレは通貨の価値が減って、より多くのお金を払わないと同じモノが買えなくなることを指します。
インフレが起こると、同じ量の金でもより多くのお金を払わないといけなくなるため、結果的に金の価格が上がりやすいです。



また、低金利になったとしても、同じ通貨でもらえる利子が小さくなるため通貨の価値は下がります。
よって低金利でもインフレのときと同様に、通貨の価値が減って金の価格が上がりやすいです。



1と2を指標を見ずに判断する材料として、例えば現在進行中のコロナ禍のようなウイルスの流行やテロ・戦争などといった経済へ大きなダメージを与えるであろう出来事は国の通貨や、企業財務に直接的に影響を与えるため金価格への変動に繋がりやすいです。




金投資がポートフォリオに与える影響

負の相関 図

一般的に金は、株や債券などと負の相関性を持っているとされています。
負の相関性とは、「Aが上がればBが下がる」といったように逆の動きをもったモノ同士のことを言います。


そのため、金をポートフォリオに加えると、株や債券の弱い局面で金が有効的働きポートフォリオ全体のボラティリティを軽減させることが出来ます。


ただ、これは過去の実績上そうなりやすいという話であり、必ずしも全ての事象で負の相関を持つとは限らないことに注意したい。






SPDRETFのGLDかGLDMか

GLDは流動性に富んでいるが機関投資家向けか?

GLD基本データ

運用会社:ステートストリート
正式名称:SPDR®ゴールド・シェア
ベンチマーク:LBMA午後金価格
経費率:0.40%
純資産:8.3兆円
株価:178.56USD
設定日:2004年11月18日


GLDは世界最大の純資産総額および、日次取引量を有する金ETFとして、戦略的な長期投資家に対し低廉な取引コストを提供しています。

非常に透明性に優れ、東証にも重複上場しています。が、1単価が178ドル前後になっているため大型売買のしやすい富裕層か機関投資家向けという見方もあります。





小口での金投資を可能にした低コストETF:GLDM

GLDM基本データ

運用会社:ステートストリート
正式名称:SPDR® ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
ベンチマーク:LBMA午後金価格
経費率:0.18%
純資産:3760億円
株価:18.94USD
設定日:2018年06月25日



GLDMは世界最大規模の金ETFであるGLDを小口化した金ETFになります。
現存する金ETFの中で最も安くコストを0.18%に抑えています。


株価も18~19ドルと一般的なサラリーマンでもポートフォリオに即座に組み込みやすくなっています。


本家GLDに比べると純資産や取引高(流動性)は劣っていますが手軽に始めやすい金ETFといえます。
設定日が浅いためパフォーマンスのトラッキングエラーの確認はしづらいかもしれません。


しかしステートストリートは世界三大運用会社の一角ですんで、その点はあまり心配する必要はないかと思います。




最後に

過去の実績を見ると金のリターンが株や債券を超える局面もあったり、負の相関性を持ってたりとポートフォリオに組み入れてみるのも面白い投資対象だと感じました。



ただし、金自体は配当や分配金を生むことはないためポートフォリオのコアにする必要はないと思います。
あくまで構成比率をマイルドにすることに利用するとよいかと思います。



そのため、GLDで大きく購入するよりGLDMで調整してみると面白いと思います。
GLDMが小口の金ETFとしてこれから日の目を浴びることもワクワクながら待っていようと思います。





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